けーはち

フットルースのけーはちのレビュー・感想・評価

フットルース(1984年製作の映画)
3.7
ロック音楽、ダンス、悪書を禁じる町のローカルルールによって、さながらライトな因習村となっている排他的・閉鎖的・保守的な空気が漂う町に闖入した外部者である主人公=都会出身の若者が自由を求める対立を起こす青春映画。冒頭のダンス中の靴だけ映すカットは目を引くし、劇中にふんだんにポップ音楽が配置され、いかにもMTV全盛期の当時を象徴するような作品。若きケヴィン・ベーコン主演、デヴィッド・ボウイを意識した髪型のチョイ悪なカッコ良さは印象的。因習を作る側も決して無駄に縛っている訳ではなく、過去の悲しき事件によって恐怖を感じ、全ての子を守る厳格な父親たらんとする牧師の封建的・家父長制的意識が拡大された結果で、彼の凝り固まった考えを彼自身が最も拠り所にしている聖書の言葉(歌も踊りも禁止はしておらず相応しい時があると言っている)で打ち砕く展開、決着として子の親離れと親の子離れが鏡合わせの対比関係で描かれる構図も美しい。