クリーム

にんじんのクリームのレビュー・感想・評価

にんじん(1932年製作の映画)
3.9
ルナールの自伝的同名小説の映画化。
ヒステリックなイカれた母が、末っ子のフランソワにだけ虐待し、家族は皆、それに対して無関心。何だこれは?これが児童文学なの?ハッピーエンド風だけど…。これは、胸糞映画としてはアリだけど、児童文学としては、ヘビー過ぎに思えました。すみません、胸糞映画として観ました。

フランソワは、その髪の色から家族にも“にんじん”と呼ばれていた。母は、にんじんの兄や姉は可愛がり、彼にだけ辛く当たり、叩く他、精神的にも追い詰めます。父は、家で殆ど喋らない。兄姉もにんじんに興味がない。唯一の味方は新しく雇われた家政婦だけだった。そうした中でにんじんは、愛に飢え、次第に絶望して行くのだった。




ネタバレ↓




母は朝から晩までにんじんを叱り飛ばし、彼から楽しみを総て奪います。 にんじんが未来の花嫁として遊ぶ可愛いいマチルドとも、仲を裂きます。にんじんは、段々生きているのが辛くなって行きます。夢の中で、もう1人の自分が死んだ方良いと囁く。
父が村長に当選し、祝賀会があるからとにんじんにおいでと言ってくれた。にんじんは、母に邪魔されながらも必死で会場へ行きます。しかし、父は客の相手で忙しく、邪険に扱います。そして、とうとう納屋で首を縊ろうとした。 そこへ名付け親の男から、説教された父が駆けつけ止めます。
父はどうして息子が死にたい気になったのか解らず、訪ねます。
僕は母さんが大嫌いだと言います。父はわしが母さんを好きだと思っているのか?と答えた。
この後、父とフランソワは同志の様になるのだった。

ラストで、父とフランソワの気持ちは通じ合ったみたいな描き方だけど、父は彼の本当の淋しさ等は理解していない。母が嫌いな事だけで一致して、フランソワの環境が変わるとは、思えなかった。
また、母を可哀想な人だと言って責める事をしないのは、児童文学らしいが、善悪をキチンと教えるべきなんじゃないなかな?あのままあのイカれ女に制裁が無いのは、悪が勝つみたいでどうなんだろう?
それに虐められ方もかなり酷く、家庭内で1人だけ一番下の子供が虐められるって、中々なシチュエーションだと思う。知らない話だったから、内容を知れて良かったです。
児童文学って、どんなに酷い目に合ってもラストは幸せになると思ってたので、ビックリ。胸糞としては、面白かったです。

*ふわふわさん、ありがとう♪︎
クリーム

クリーム