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狂気の愛のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

狂気の愛(1985年製作の映画)
3.0
鬼才アンジェイ・ズラウスキー監督がドストエフスキーの「白痴」に着想を得て、破滅の道を歩む若者たちの姿をエキセントリックに描いた異色作。
「ラ・ブーム」でフランスの国民的アイドルになったソフィー・マルソーが大胆なフルヌードを見せて話題になった。
ズラウスキーとマルソーは以後10数年間公私にわたりパートナーとなり、子どもをもうけている。
原題:L'Amour Braque (1985)

1986年、
ブダペストで仲間とともに大胆不敵な銀行強盗を働いて大金を強奪した後、パリ行きの列車に乗り込んだミッキー(チェッキー・カリョ)は、列車内でレオン(フランシス・ユステール)と出会い、意気投合。
パリに到着し、ミッキーは恋人のマリー(ソフィー・マルソー)のもとへ向かうが、彼女はパリの暗黒街を牛耳るヴナン兄弟の囲われ者となっていた。
ミッキーとレオンは、ヴナン兄弟のアパルトマンからマリーを奪って逃走。
レオンはいつしか、マリーと恋に落ちるが…。

~その他の登場人物~
・アグラエ (クリスチアーヌ・ジャン)
・アンドレ(ミシェル・アルベルティーニ)

「一つ足りないの。聞きたい?
聞いて何になる?
私の人生よ。
人生はない。戦争があるだけだ。聞けよ」

「私はカモメよ」

「ママ、ママ、私のママ。私も同じことをし、男に養われ、殴られた。でも、私は汚れなかった。ママと同じよ。ママと同じよ。ママと同じよ。ママ、ママ!私のママ…」

「神だったら、僕らにこうはしなかっただろう」

「世界の終わりだ。革命もないだろう」

「連れてって。あんたの好きな所へ。どこへでも。いつでも。あんたの好きなところへ。好きなときに。いつでも…」

舞台劇を交えたエキセントリックでハイテンションな演出と暴力描写が特徴だが、ストーリーやテーマが解りにくい。
無軌道な若者たちを描いているが、どこが「白痴」からの着想なのかとちょっと考えてしまう。
「白痴」だけでなく、いろいろな戯曲にも着想を得ているようで、自分の文学的素養が足りないために理解出来ないのかもしれない。
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