真鍋新一

大海原を行く渡り鳥の真鍋新一のレビュー・感想・評価

大海原を行く渡り鳥(1961年製作の映画)
2.6
渡り鳥シリーズを順不同に観ている。今回は7本目らしい。宍戸錠は欠席。雲仙・普賢岳を背景にしたロケーションは素晴らしいが、ちょっと惰性で作っている感が隠せなくなってきた。

どう見ても悪役の芦田伸介が何の工夫もなく早々と正体がバレてしまうのもつまらない。こっちは出てきた時から怪しいと思ってるんだから、少しくらいバレる時に驚かせてくれなくちゃ困る。待田京介は子分役で、台詞はほとんどないがさすがに存在感がある。

ジョーのいない穴を埋めるのが藤村有弘のインチキ中国人なのはさすがに弱すぎた。アキラのギターを勝手に奪って渡り鳥のテーマを弾いたり、仕事とまったく関係のない私欲で白木マリの寝室に忍び込んで求婚したりとキャラが立っていただけに惜しかった。

もちろん映画としてはアキラとルリ子の2枚看板なのに、なるべく彼らの出番を少なくしてなんとか映画を成立させようとしているフシがある。人気シリーズなのに、作品が大切にされていない。
真鍋新一

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