丽遥

上海バンスキングの丽遥のレビュー・感想・評価

上海バンスキング(1984年製作の映画)
3.7
前に最初ちょろっと見たけど松坂慶子の役どころが男性の欲望そのものって感じがして拒否反応でて止めちゃったのを再見。結果、シリアスと娯楽が同居する盛りだくさんな内容でとっても満足。

ラスト松坂慶子が風間杜夫同様ジャズバンドの幻影を見てしまったために、彼女も阿片中毒になっちゃうのか?とちょっと思ってしまった。トランペットを吹いてみたのに全然未来が見えなくて、過去の幸福に縋るばかりというのがなんとも、、80年代後半だったらリリーと一緒にバディを組んで活躍する未来があったりしただろうか?彼女の当初の望み通りフランス行って欲しい。面白かったけど初回視聴時に思った通り、女性表象はやっぱり男性ありきという感じは否めなかった。

前半途中まで常にジャズバンドが何も気にせず演奏しまくってるので楽しいな~みたいな感じで見てたら戦争パートがかなりリアリティあって見てて緊張した。年号のテロップの入り方とか、仁義なき戦いに通ずるところもあるかもしれない。特に白黒の当時の写真が連続カットで入った後に白黒で物語の映像を流し、それからカラーに変えていく表現は物語と現実を接続させていた。あと日本軍と中国軍を勘違いする描写とか、戦争を知る世代の作る演出だなという感じ。ジャズパートはそうでもないけど、トラッキングや主観ショットも多く、ジャズは夢で戦争が現実ということが伝わってくる。それはラストにも繋がる。

というか、もしかして80年代はジャズ大名とか、カポネ大いに泣くとか日本人meetsジャズ作品が多い?戦争を体験した世代による米国文化受容について考える上で役に立つかな🤔皆ハッピーエンドじゃないのが気になる カポネは見直さなきゃ
丽遥

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