ジェイソン、宇宙へ行く。
電気椅子、銃殺、首吊りと、いかなる処刑方法をもってしても殺せなかった殺人鬼ジェイソンを、苦肉の策として冷凍保存していたものの、そのまま地球が滅してしまう！！500年後に地球へ戻ってきた宇宙船が、ジェイソンの氷結死体を発見、解凍して蘇生すると、宇宙船内は恐怖の底に叩き落とされる、という話。要するに、ジェイソンが宇宙に行っただけで、やってることは今までと何も変わらない。でもそれが良い。
冷凍庫の豚肉みたいに普通に殺人鬼を解凍して蘇生するし、そもそも作品のアイデア自体が『エイリアン』の丸パクリ（でもそれを言ったらこの13禁シリーズ自体が『ハロウィン』の丸パクリ）だし、宇宙飛行士たちはみんなシリーズお約束の薄着姿で性欲むんむんの色情狂だしで、ツッコミどころは無限にあるけど、これを大真面目にやるところに好感。毎度毎度同じことの繰り返しだから、もういっそ宇宙に飛ばしてしまおう、というアイデアからすでに狂ってて素晴らしい。
殺人シーンのクオリティは私の知る限り過去一に進化していて、触れたものを瞬時に凍らせる未来のドライアイスらしき蒸気に犠牲者の顔を突っ込ませ、凍りついた顔面をスイカ割りみたいに砕くシーンには途方もない高揚感を感じた。このシリーズ、というより、スラッシャー映画というもの自体が、殺しのバリュエーションを楽しむジャンルだというのをシリーズ9作目（だか10作目だか11作目）にして再確認したよ笑。
ゼロ年代の最新のCGI技術を駆使し、並いるSF作品にも全く遜色ないレベルの世界観を作っておきながら、やってることがいつもと同じというマイペース加減が堪らん。と思いきや、終盤の30分はけっこう違った。ミラ·ジョボビッチ風のアンドロイドがジェイソンを相手に互角以上に戦い（バイオハザード2じゃん！）、倒したものの25世紀の技術で誤って蘇生してしまい、最強のアイアンジェイソンとして復活するくだり、最高だなあ笑。こんな映画に高評価しちまうとは、、と思いつつ素直に高評価する。でもジャンルは「ホラー」ではないですね笑、さすがにアクションコメディ。
