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鷲と鷹のlemmonのレビュー・感想・評価

鷲と鷹(1933年製作の映画)
4.0
最初、コミカル要素を引き受けていたマイクの存在に、戦争ものだが気楽に楽しめそうと見始めた。

だがしかしテーマは深く、フレデリックマーチ演じる主人公ジェリーヤングは次々に仲間が犠牲になる一方、自身は賞賛されていき、次第に心のバランスを失い、狂い始める。

気が合わず仲違いする戦友ケイリーグラント演じるヘンリーの存在。途中息を呑む圧倒的美しさで登場のキャロルロンバートの登場とお得感がありつつも、後半はマーチの熱演にねじ伏せられるように惹き込まれた。


1933年。
まだサイレント要素の演出が残り、これが効いている。音楽の使い方もシンプルで、本作には合っていた。


戦争に対する虚無感。
反戦を押し付ける感じもなく、こんな悲劇もあるのだと、痛感させられた。
PTSDに通づるか。

とっても印象深い作品でした。
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