kaito

ニューヨーク、アイラブユーのkaitoのレビュー・感想・評価

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監督ごとの短編が順番に収められているタイプのオムニバス映画化と思っていたら、ニューヨーカーを撮影し続ける女性のキャラクターによって微妙に一本筋のある映画になっていたので、ちょっと驚いた。

ニューヨークで暮らす人々の人生の一瞬が切り取られているようなこの構成のおかげで、そこに暮らす人々によって一つの都市ができているという感じが改めて実感できる。『街主役映画』の系譜として記憶には残ると思う。

声高には語られていないが、そこはかとなく感じる人種や性別や格差による差別的な雰囲気も非常にリアリティを感じた。

特に中盤までの性的な匂いがプンプン漂っている、キツい女性蔑視的な雰囲気は、2000年代初頭のニューヨークの嫌な感じをビンビンに味あわせてくれて良かった。
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