いの

ワイルドバンチ/オリジナル・ディレクターズ・カットのいののレビュー・感想・評価

4.5
サソリに群がりすぎるほどのアリ、それを笑顔で見つめる子どもたち、絶妙に差し込まれるモノクロの静止画面に、COOLなクレジット。宗教的なるもの、馬に乗った人たち(強盗団)、それを屋上から狙う人たち。壮絶な銃撃戦に、追い剥ぐ人たち。冒頭から、ただならぬ映画だということがガンガンに伝わってくる。


動画配信で一度観たものの、コリャちゃんと観んとあかんべ!ということだけは大変よくわかり、ディスクを購入して再鑑賞。私まだレビュー書けない! でも、何回みても書けそうもないんで、記録だけ残すことにしました。サム・ペキンパーが描く、一大叙事詩。ちょう大作映画。


滅びの美学だとか、最後の西部劇だとか、そういうことはこれからわかっていこうと思う。




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ペキンパー大大大好きな評論家たちによるオーディオ・コメンタリーつきでも観賞。3人くらいで語り合ってたけど、オーディオ・コメンタリーを評論家3人でやっちゃアカンということがわかりましたw(感想には個人差があります)。俺こんなこと知ってるのね、俺エキストラにじかに話きいたんだけどね、という自慢大会になっちゃう。その方々たちのお話によると、あらゆる場面に意味があり、聖書とか贖罪とか神話とか。これはアレの象徴とか。自分でもよくわかんないけど、どうしてかプチ反抗心発動。評論家たちの好きがあふれすぎちゃってるのが、かえって逆効果なのかしら。もうアタシ自分で考えてみることにスっから、どもども、ありがとうございました!!!




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〈追記〉2024年1月下旬
1960年代後半に映画史はニューシネマの時代に突入していて、古典期にはなかった演出や描写が積極的に打ち出されたそうです。西部劇との関連でとくに重要なのは、暴力描写のリミットが外れたことであり、これをひとつの背景として、60年代末から70年代には、ヴェトナム西部劇とも呼ばれる作品群が登場。今作はその代表例で、ヴェトナムでの戦闘を西部劇に仮託して描いたのだそうです。
(参考文献『フロンティア ニュー・ウェスタン映画論』川本徹 森話社 2023年、12頁・13頁)
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