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暴君ネロ
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『暴君ネロ』に投稿された感想・評価

歴史上の偉人を描いたDVDボックスの中に入っていた一本。ローマ帝国史上最凶とも言えるネロの治世下で奮闘する人々を描いた作品。再び監督はセシル・B・デミルです。

とは言え、観ながら気づいてしまったのがタイトルの『暴君ネロ』のミスマッチぶり。あくまで主役はフレデリック・マーチ扮するマーカス将軍であって、主演は彼。名優チャールズ・ロートン扮するネロ役は鬼気迫っていてとても良かったけれど、決してタイトルロールではなかったのでかなり違和感でした...。
そして違和感その2は、昨年鑑賞した『クォ・ヴァディス』とのあらすじの酷似っぷり。本作の原作は『十字架の徴』という作品なのですが、結末以外はまるで『クォ・ヴァディス』と同じ原作としか思えず。調べてもやはりその点は指摘されていて、『クォ・ヴァディス』の改作がこちらのようです。当時は著作権法が緩かったのもあり、こういった問題が普通に起きてしまっていたようでまた勉強になりました。

ポッパエア役のクローデット・コルベールの悪女っぷりと、ラストシーンのネロによる闘技場でのキリスト教徒迫害シーンが最も印象に残りました。特に後者は大量のライオンや象、クマなどが登場して、民に襲いかかるので圧巻。直接的なシーンはないにせよ、CGもない時代にこんなにも真に迫ったショッキングなシーンを作り上げていたと思うと衝撃です。
また、映画史的に面白かった点としては、ヘイズ・コードが敷かれるギリギリのタイミングでの封切りだったようで、ヌードまがいのシーンがあったり、そもそもセリフが直接的だったりと、ハリウッド黄金期を思うと考えられない描写がいくつかありました。1920年代〜1932年はこういったセンセーショナルな演出が許されていて、この直後から1960年代くらいまでは逆に一切そういった表現が統制されるようになったわけで、歴史の一端を垣間見た気がしてとても興味深かったです。
lemmon

lemmonの感想・評価

4.0
非人道的な描写など、かなり踏み込んで描き切った作品。

物語は古代ローマ、皇帝ネロの時代。
キリスト教が非難され、隠れ信者たちが追い込まれる。

後半は、息を飲むシーンの連続。こちらの感情を逆撫したり、観ていて切なくなったり、複雑。

サイレント映画が終わり、大胆なシーンがまだ許されていた時代の力強い演出がかなり見もの。

物語は宗教的で好きではないが、これは観て良かった。大満足!
デミル監督の”聖書三部作”「十誡」(1923)、「キング・オブ・キングス」(1927)に続く第三弾。原作戯曲「十字架の徴」(1895)は同年の小説「クォ・ヴァディス」の非公式の改作とされ主人公はネロではない。助演に「或る夜の出来事」(1934)でヒロインを演じるクローデット・コルベール。

西暦60年のローマ。残虐非道の皇帝ネロ(チャールズ・ロートン)はキリスト教を憎むあまり、ローマの街を燃やし犯人をキリスト教徒になすりつけた。教徒殺害が行われる中、ローマ軍の長官マーカス(フレデリック・マーチ)は教徒をかばう娘マーシアと出会い目をかける。これを知ったネロの愛人ポッペア(コルベール)は嫉妬の炎を燃やし。。。

絢爛豪華で悪趣味な要素を強く打ち出している。デミル監督の魅力の一つである見世物性という点ではベスト作。後の東映エログロ路線の元祖と言えるし、すなわちタランティーノ監督作の先駆である。

終盤にコロシアムで開かれる残虐処刑ショーは、大衆の眼前でキリスト教徒を猛獣に殺させるという猟奇的なもの。とどめの直接描写は避けられているが、多数のライオンやワニ、ゴリラ、象が放たれたコロシアムに人間が入場させられていく描写がおぞましい。だからこそラストシーンがインパクトを放っている。コルベールの牛乳風呂入浴シーンも含めて、プレコード最後期でなければ実現できなかった演出だ。

美術・衣装が「キング・オブ・キングス」に続いて素晴らしい。美術監督は両作ともミッチェル・ライセンという人物で、「バグダッドの盗賊」(1924)などダグラス・フェアバンクス作品の美術・衣装で知られている。

ネロを演じたチャールズ・ロートンは出番は少ないが、暴君の尊大で不気味な雰囲気をすわった目で演じていてインパクトが強かった。そんなネロを言いなりにさせる愛人を演じたコルベールも悪女のオーラを漂わせていた。本作での好演が認められ同監督の「クレオパトラ」(1934)主演に抜擢、次いで「或る夜の出来事」主演でスターの座を確立することになる。

映像もクレーンカメラを効果的に多用している。終盤にはカメラが屋外から鉄格子をくぐりぬけ地下室の人物ワンショットまで持っていくミラクルショットがあった。トーキー初期のフランス詩的リアリズム「巴里の屋根の下」(1930)などでは街角から室内へのクレーンワークがあったと記憶しているが、本作のように地下に降りていくカメラは初めてかもしれない。

”聖書三部作”はどれも完成度が高く、巨大な製作費と興行的成功の面から見てもデミル監督全盛期の代表作群と言える。現在ではあまり知られていないが再評価されるべきだと思う。

※ドライヤー監督映画に観られるエンドクレジットの十字架シルエットが早々と使われている。