記録。
鐘のなる頃、あの橋の下。
名匠ジョージ・ロイ・ヒルによるとびっきり瑞々しいラブロマンス。ダイアン・レインのデビュー作としても価値ある作品。
少年と少女の健やかなる恋愛は何故こうも清々しい気持ちにさせてくれるのだろう。それはきっと、こんなに純粋で向こう見ずな恋愛は二度と出来ないからなのかもしれない。
パリに暮らす少年ダニエルは裕福とは言えない家庭で過ごし、少女ローレンは父親の仕事の都合でアメリカから移り住んできた富豪の娘。住む世界の違う思春期真っ只中の2人は偶然に出会い、互いの共通項を見出す。それは瞬く間に恋となり、別離の予兆は伝説のキスをするための冒険へと2人を駆り出す。
当時若干14歳のダイアン・レインはこの時点で完成された美少女ぶりを見せてくれる。この面影は現在の彼女にも見て取れるので、きっと作りものではない美しさなのだろう。
2人の冒険にお供する老紳士、ローレンス・オリヴィエの存在も見逃せない。思わぬ謎を秘める彼は物語において重要な役目を担う立役者だ。
暖かく小気味いい音楽に彩られた、題名通りの小さなロマンス。素敵でしたね。