ペイン

河のペインのレビュー・感想・評価

(1997年製作の映画)
4.7
アリ・アスターの“ベストツァイ・ミンリャン映画”というのも納得しかない1作。

“ルノワールじゃない方”の「河」。

”現代社会に生きる人々の孤独を描く“とは名ばかりで、同時期のトッド・ソロンズ映画(『ハピネス』とか)にすらも近い感触←ビチャビチャ多湿な台北を舞台に繰り広げられる、実にいたたまれない不条理ギャグコメディだ。

主人公の父親が足繁く通うゲイ・サウナシーン(※終盤の衝撃💥!)等における、その異様なショット、セリフを極力排した引きの長回し撮影がなんともクセになる。同じくアジア圏の監督でいえばアピチャッポン・ウィーラセタクンの作品群にも通じる“風情”がある。

久しぶりに女友達と再会した主人公シャオカン(リー・カンション)は、映画の撮影隊である彼女に頼まれた“汚れた河に浮かぶ死体役”を引き受けたことからその翌日に何故か首が痛くなり曲がったままになる奇病に苛まれる…という実に実にハッキリと“ヘン”な映画であるのだが(※観ながら何故か私も首を捻っていた🦒)、後の『西瓜🍉』に比べると直接的な画のインパクトみたいなものは薄い。しかし、『西瓜🍉』以上に観賞後の気持ち悪さが後を引く。

何度も見ていたポスターのバイク🏍️二人乗りシーンはそういうことだったのか!と思わず本編で痺れてしまいました。
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