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歌え!ロレッタ愛のためにのNMのレビュー・感想・評価

歌え!ロレッタ愛のために(1980年製作の映画)
3.0
原題、炭坑夫の娘(字幕に倣って炭鉱ではなく一応炭坑を選んでおく)。
実在のカントリー歌手ロレッタ・リンの半生を描く。
地方の貧しい炭坑夫の家庭に生まれた少女が、早い結婚をし、次々出産し、歌手としてあっという間にスターダムを駆け上がっていく。
半生なので、別に特別な展開があったりはしない。歌はとても良い。
当時の炭坑生活、その家庭、一般的な夫婦のあり方、芸能界などについて知れる作品。
最初は夫が嫌な男で幼妻が苦労する話しかと思ったらそういうわけでもなく時間とともに絆はできていったようだ。夫もロレッタ相手では引くことを覚えていった。ロレッタも自分をここまでにしてくれた夫を信用している。戦友のような感じだろうか。

あらすじ
ケンタッキーの炭坑で働く父とその子だくさん家族。ロレッタは長女でもうすぐ14歳。

ロレッタは軍帰りで強気な男、ドゥーと付き合うように。
やがてドゥーは家を訪ねプロポーズ。
両親は渋々了承。
結婚には見届人が必要なので、父親がその時だけやってきてくれた。

だが二人は初夜でさっそく仲違い。ロレッタは実家に帰ってきた。
ロレッタは従うだけの女ではなく、ドゥーに劣らず負けん気があり情熱的な面があった。
ドゥーはケンタッキーを出てい行くので一緒に来るかどうか聞いた。
妊娠していたこともありロレッタは承諾。

四人の子を産み、家事と育児の毎日。
夫婦仲もどうにかなってきた。
よく歌っているロレッタに、ドゥーはギターをプレゼント。
歌を褒められ気を良くしたロレッタは練習を始めた。

ドゥーは生バンドのいる酒場にロレッタを連れ出し、舞台に立たせた。
嫌がっていたが歌い出すと楽しくなり、客たちも大いに盛り上がってくれた。初めてのことには緊張するものの、度胸があり本番に強い。

次はレコードを出させたい。ドゥーは有り金をはたいて収録。曲はロレッタが作った。
一節聴いたエンジニアは、彼女の歌に見合うようにとバンドメンバーを増員してくれた。
ドゥーは一所懸命で、ロレッタのジャケ写を撮ってやり、毎日徹夜でレコードをパッケージング。
ラジオ局に送った。

そんな時父が亡くなった。
ドゥーがロレッタに今後も活動を続けるかどうか聞くと、やってみたいわ、絶対に歌手になりたいと答えた。

二人はラジオ局に押しかけた。生放送直前に入ってブースにいすわったロレッタ。マシンガントークでインタビューに答えたあと自作の曲を歌った。
ドライブを続け次々とラジオ局を訪問。
するとついに全国チャート14位に登場。

今までで一番大きなステージでもウケが良く、毎週出ることに。
リスペクトする大歌手パッツィにも娘のように可愛がられ、一緒に旅回りするまでに。

ドゥーは徐々にすることがなくなりふてくされることが多くなった。
喧嘩も増えてきたので、ドゥーは身を引いて別の仕事に就くことに。
ロレッタがずっと欲しがっていた結婚指輪を渡し仲直りした。

突然パッツィが事故死。
ロレッタはまた出産を迎えたが、経験を積みさらに人気を博した。
今や1位を取った曲はいくつも。カントリーの女王と呼ばれた。
子育てはドゥーが担当。

人気が最高潮となり、ロレッタはドゥーにとにかく一緒に来て欲しいと行ったがそうはいかない。
ある日疲れが溜まり、歌詞をド忘れする事態にも。
それでも新曲は出来上がり、歌詞を覚えなくてはならない。もう自分ではコントロールできない状態。
涙目で舞台に上がったロレッタはふらふらで歌えず、ドゥーに抱かれて帰っていった。

しばらく二人でテネシー州の山奥で暮らしドゥーは牧場で働く。
ここに家を建てることにした。プライバシーが保てる。
やがてカムバック。今度は安定して活動することができそう。
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