逃げるビリーの背後から適当に2発撃って「こんなに外したことないんだけどなぁ」といかにもうそぶき、ビリーを逃げさせるパット・ギャレット。死亡フラグを立たせといて、ラスト20秒ぐらいで歴史を捻じ曲げてビリーを生き延びさせる映画の優しさに泣いてしまう。最後のビリーの姿が馬に画面奥へ走り去って顔が見えないのも、映画が事実に後ろめたさを持っているようで、ジーンとくる。
籠城中の命懸けの水汲みだったり、燃え落ちる家の中で泣きそうになりながら変なゲームやってたり、長引く銃撃戦中に奥さんがコーヒー配って運んでたり、軽そうに見えるけど容赦なく人が死んでいく。緊張と緩和というか。変な場面が多い。
ビリーが逃げた先があまりにバカでかい洞窟で、その場でベーコンを焼いて誘き寄せるというデカさとしょぼさの歪な対比も面白い。バリンジャーを2階から撃ったあと、銃口から出た煙がボワァっとなって徐々に死体が見えるショットは美しい。