だい

西部戦線異状なしのだいのレビュー・感想・評価

西部戦線異状なし(1930年製作の映画)
2.8
西部戦線異状なし。

戦争にあって、その程度は当たり前の範囲なんですよねぇ。
1円玉貯金で10万円も貯めてたら、
その中の10円やそこらが無くなったところで気付かないのだ。


CGはもちろん、
ろくな特撮すら無い時代。

飛び交うミサイル!
着弾して飛び散る地面!!

これどうやって撮影したのん??
迫力がマジですごい。



帝国主義全盛で、
列強が戦争へ向けた軍拡を進めていた時代。
愛国心を教え込む教師。

愛国心は悪いことじゃない。
というかいいことなんだけど、

なんで愛国心=侵略戦争になるんだろな?

防衛戦争ならもちろん理解できるんだけど。



第1次大戦の10年後に発表された小説が原作だから、
原作の作者はもちろん、
この映画に携わった人たちだって、
本人だったり、もしくは周囲の人だったりが従軍したであろうし、
そんな人たちが描く様々なエピソード。
実際にあったかどうかはわからないけど、
実際にあってもおかしくないような内容なんだろう。

足を失った僚友のブーツを受け継いだところで、
その僚友の無念を晴らすような活躍ができるのは脳天気な物語だけなのだ。
実際の戦場はそんなお目出度いものじゃない。


第1次大戦と第2次大戦の間で、
第1次大戦を経験した人たちが映画を作り、
この映画を観た若者たちが結局第2次大戦に従軍させられたのだ。

それもまた、
異状なしなのだ。
だい

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