第95回アカデミー賞にノミネートされている『2022年版の同名作品』があまりに良かったので、こちらのオリジナル版を観ておかねばと、忘れないうちに鑑賞。
流石に古いので画像は粗く、鮮度の良い作品を観たばかりだと、明らかに私はカメラワークの優れたカラーのリアル感のある2022年版が好みでした。
こちらももちろん良さは十分にありますが、対比というより別作品としか思えませんでした。
こちらは冒頭に教師が生徒を煽る場面から...
盛んに愛国心を説き、無責任に『祖国の為に若者は戦うべきである』と強く強く洗脳する。
何も知らない純粋な若者だからこそ靡き、意気揚々と次から次に志願する。
最初はまるで修学旅行にでも行くようなはしゃぎ具合。
今作は直ぐに戦地ではなく、準備期間があり、そこで少しづつ身体も心も馴染ませられるのだが...
戦地へ行けば食料はなく、砲弾に怯える日々、そして仲間が死んでゆく...まさにそれが戦争の現実だった。
再現した戦場は痛々しい。
仲間が目の前で息絶えるのだ。
全く同じシーン(塹壕から銃の先にヘルメットだけ被せて上へあげると直ぐに撃たれる)もあった。
しかし戦地の規模はやはり違っていた。それでも当時は大人数を使っての爆撃撮影などは大変だっただろうと察する。
モノクロということもあり、若干コメディのようにも捉えてしまう場面がある。何も解らない若者だからこそなのだが...
こちらには数日の休暇で家に戻るシーンもある。
学校に顔を出すと、相変わらず教師は生徒たちに同じ言葉を発している。
先輩として言葉を!と言われるが何もないとしか.....そして言う。
『命を犠牲にして祖国の為に戦う必要はない!』と。
それが本音だし、世界共通の願いなのだ。
身体を張った演技で、強い反戦映画であることは間違いない!!