ゴン吉

西部戦線異状なしのゴン吉のレビュー・感想・評価

西部戦線異状なし(1930年製作の映画)
4.2
第一次世界大戦下の西部戦線における最前線の実情をひとりのドイツ軍兵士の視点で描いた戦争文学作品。  
原作はエーリヒ・マリア・レマルクによるドイツの小説。
リュー・エアーズが主演、ウィリアム・ベイクウェル、ラッセル・グリーソン、ルイス・ウォルハイムらが共演。   

第一次世界大戦の戦時下。学生のポール・ボイメル(リュー・エアーズ)は学校の先生の熱弁により熱い愛国心が沸き起こり、友人らとともに勢いで軍への入隊を志願する。新兵としての訓練を受けたのち、漸く念願の前線に配属されるが、そこでは食料が不足し、突撃しては後退する一進一退の塹壕戦が繰り広げられていた。日々多くの兵士の命が失われる一方で、戦闘は膠着状態が続き、友人たちは戦死したり、脚を切断するなど次々と居なくなっていく。休暇で故郷に一時帰郷してみると、前線を知らない大人たちが勇ましい机上の空論を展開し、母校では相変わらず教員が生徒に愛国心を煽っていた。前線を知らずに銃後の人々に失望したパウルは休暇を切り上げて戦場に戻るが....  

第一次世界大戦の西部戦線において、一人のドイツ軍志願兵が最前線での戦闘を通して戦争の虚しさや理不尽を感じる一方で、戦友との友情などが描かれている。
また塹壕に落ちた敵兵と二人だけで時間を共にしたり、小さな川を挟んだ敵国の女性市民との交流を通して敵味方に別れて戦うことの虚しさも伝わって来る。
いつものように多くの兵士が亡くなり、司令部に「西部戦線異状なし、報告すべき件なし」と書かれた報告書が提出される。 

2023.12 BS12で鑑賞(字幕)
第3回アカデミー賞で作品賞、監督賞を受賞(1930年)
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