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西部戦線異状なしのLIBROのレビュー・感想・評価

西部戦線異状なし(1930年製作の映画)
4.0
第一次世界大戦に従軍した作家レマルクの小説を映画にしたもの
この戦争で、英国海軍大臣だったチャーチルは「世界の危機」という著書でこの時を回想し、「戦争から煌めきと魔術的な美がついに奪い取られてしまった。アレクサンダーやシーザーやナポレオンが兵士達と危険を分かち合いながら、馬で戦場を駆け巡り帝国の運命を決するそんなことはもう無くなった。これからの英雄は安全で静かで物憂い事務室にいて、書記官たちに取り囲まれて座る。一方何千という兵士達が電話1本で機械の力によって殺され、息の根を止められる。これから先に起こる戦争は、女性や子供や一般市民全体を殺すことになるだろう。やがてそれぞれの国には大規模で限界の無い、一度発動されたら制御不可能となるような破壊のシステムを生み出すことになる。人類は初めて自分達を絶滅させることが出来る道具を手に入れた。これこそが人類の栄光と苦労の全てが最後に到達した運命である。」と記した。
真っ直ぐな反戦映画で、ドイツ側が主人公として描かれていて、原作のアレンジ具合が良い
【余談】
原作の冒頭に、「この書は訴えでもなければ、告白でもないつもりだ。ただ砲弾は逃れても、なお戦争によって破壊された、ある時代を報告する試みにすぎないだろう。」とある。
レマルクは第二次世界大戦時ナチスに、この作品を書いたことで目をつけられ、亡命した
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