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真人間のmat9215のレビュー・感想・評価

真人間(1938年製作の映画)
4.0
フリッツ・ラング版の『ラルジャン(カネ)』は教育的な一篇。オープニングは、ミュージカル仕立てで「何でもできる、カネさえあれば」という歌が流れる。そして、犯罪者たちに、犯罪では儲からないことを黒板を使って説明するシルヴィア・シドニーが素晴らしい。シドニーは『激怒』、『暗黒街の弾痕』に続いてラング作品の主人公を務めている。本作にフェミ風味が感じられるのは、脚本をヴァージニア・ヴァン・アップという女性が手がけているからか。アップという人は、当時のハリウッドでは数少ない女性プロデューサーの一人で、プロデューサーとしての有名作はリタ・ヘイワース主演の『カヴァー・ガール』や『ジルダ』。いなせなジョージ・ラフトはいつものように歌舞伎俳優っぽい。
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