tokiwa3256

幻の光のtokiwa3256のレビュー・感想・評価

幻の光(1995年製作の映画)
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昨年秋にu-nextで鑑賞した作品。

昨年鑑賞した理由は
「気になる監督はやはり初期作品から順番に鑑賞した方が絶対良いだろう」ということで。

今年あえてレビューした理由は
ロケ地が輪島市の鵜入町という入り江の魅力的な小さな港だったから。
また、自分も過去に訪れたことのある輪島の朝市のシーンなど、奥能登の風情を画面から感じることができる作品であるから。

1995年12月に日本で公開。この年は奇しくも1月に阪神大震災があった年。

是枝裕和監督の初長編作品であるが、好き嫌いは別として随所に「らしさ」が感じられる。(トンネルのシーンなどはまさに)構図や光のあて方、子役の使い方、序盤から緑色をポイントで意識させる演出、常に喪服のような衣装からの変化、終盤の水平線と人の頭を同位置に設定したロングショット。

ストーリー的には起伏がなく淡々としていて眠くなるので、Filmarksでは全体的にこのスコアなのかもしれない。主人公の台詞回しはいささかアレだが、脇を固める俳優さんたちの見事なこと! とにかく鵜入町の入り江の風情が凄く良い(先日TVにちらっと映ったが、それも過去形になってしまった) 

「海に誘われる〜沖の方に綺麗な光が見えるんやと」
たしかこんな台詞があった。
う〜ん、『幻の光』ですか....

でも、いつかは復興して元の入り江に戻ることを(もちろん輪島の朝市の復活も)祈っている。 

と 軽々しく言うのも、こんなレビューを書くのも、今は不謹慎なのかもしれないけれど、できれば多くの人に観てもらいたい作品です。
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