miyon

幻の光のmiyonのレビュー・感想・評価

幻の光(1995年製作の映画)
3.0
カラーなのにトーンを落としていることでモノクロ映画のような質感。トーンひとつで昭和40年代を思わせる空気をつくり、昭和にあったかもしれない家族の再生を描いたのかなと感じた。鬱々と続く話の終盤、くすんだ青の海の手前、家の白い壁が一際鮮やかに映し出され、点々と映し出されるさまは、苦しくとも辛くともなんとか生きている家族の形を映し出しているようにも見えた。三度目の殺人や誰も知らない、そして父になるよりも、多くを語らず、語る作品。少し長くて退屈なところもあるし、なぜに長身の江角マキコだったのかは不満だが、これ誰の?と聞かれたら是枝監督と即答できるくらい是枝監督だった。
miyon

miyon