タン

デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-のタンのレビュー・感想・評価

1.0
どう甘く見積もっても実話ではないでしょう。
自己顕示欲の塊、ラティフ。
イラクが生み出した悪魔がウダイなら、イラクという環境で妄想障害にかかったラティフ。
イスラム国とは比にならないほどかわいいものだけど。ウダイはどうしようもないほどやばいけど、ラティフも一般的にみて相当タチの悪い方。

自己英雄視や自己憐憫が異常な主人公にうんざりするのがこの映画の問題だと思われます。
もし事実としても、家族が処刑されるとわかってて自身の命のためだけに逃亡、描かれてるほどウダイと近い影武者なら自己犠牲があれば殺せたこと、助けれた命がもっとあったこと、その辺の心の葛藤シーンすらないのが疑問。
でもでも俺は正義感強いぞ!すごいんだぞ!頭もいい!国で一番いけた女も俺に惚れるんだ!俺は悪くない!めっちゃめちゃ俺TUEEEE系なろう主人公で笑えます。
脚本でもっとどうにかならなかったかなあ

アメリカを善としてる!という感想もありますが、ラティフ本人がアンチアメリカ公言してます…救世主のふりをした悪魔だと…
この映画だとサダム・フセインがまだましな人間にみえてしまうのもプロパガンダっぽくて絶妙な気分に。独裁国家特有の洗脳から抜けれてすらないのでは。恐い。
整形までして影武者歴4年なのにたやすく国から亡命できてる&独裁者の長男を1996年?か1997年?にカムバック暗殺未遂。また亡命。がばがばか。
2006年にサダム・フセイン処刑(米国による)、そのたった数年後に暴露本出版、顔だし、在住国も公言っていうのは何十年と政権続けれてたフセインを支持してた民を舐めすぎでは…弱小組織でもなくそれなりの人口抱えとる国家やぞ…
フセイン陣営はゆるふわか。。
ラティフのばぶばぶ警戒心で存命できとることがふしぎ。せめて2050年とかまで待とうよ。
自己欲求を満たすために虚偽を働く、これなんて小物すぎるフセインか。
ラストのこれは実話です!ぶってるのが最高にシラケる。あまあまでリアリティが全くない。

ドミニククーパーさんの演技だけでいうなら4.5ぐらいつけたかった…!
途中までそっくりさんだなーっとみてたほど怪演。客観性をいれて描く主人公にしてフィクションとしての扱いなら題材も興味深いしもっと楽しめたと思う。ウダイは悪役として魅力的。
ラティフで-5。映画の出来というよりも。
タン

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