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初恋のadeamのレビュー・感想・評価

初恋(1974年製作の映画)
2.5
フィクションへと徐々に移行する期間にあったキェシロフスキによるテレビ用のドキュメンタリー。
クラクフ短編映画祭でグランプリを受賞したそうです。
17歳で妊娠した少女と20歳の学生のカップルが周囲の大人たちに苦言を呈されながらも、出産を迎えるまでを追いかけています。
メインの少女は物陰から覗くカメラを不自然なほど意識せずに振る舞っている一方で、出番の少ない人々や通行人は逆にしっかりカメラを見てしまったりと作りがまだ安定しておらず、その揺らぎが今となっては見どころな気がします。
ラストシーンの夫のやや無神経な言葉で、今作がダルデンヌ兄弟による後の傑作「ある子供」の前日譚のようにも見えました。
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