たくみ

おそいひとのたくみのネタバレレビュー・内容・結末

おそいひと(2004年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ハードコアそのまんまな映画だった。
烈しくてうるさくて、なのに優しくて、真っ当で。
映像の粗さと編集のかっこよさが見事にマッチしていた。
狂気的な音と感情が、気持ち悪くて切なかった。

福祉いうものへの一つの“キモさ”として、社会(法律)に流れる時間の永遠性を唾棄すべきものと感じていたい。
殺すわけにいかないから、怒りを持続させてはいられないから、その情動の瞬発力を表現に預けておきたい。
映像における空間的なスピード感を、両面的に、そして中正に、自由自在に飛翔させたい。
面白がれることを面白がって生きていきたいし、その人にもそうやって生きていてほしいから、その弱さと遅さを抱きしめていたい。

動機なんてない。
人を殺すのに理由なんていらない。
だから生きているのだし、現実の中でできることなんてそもそも言葉にはならなかった。したくなかった。
自分の見ている世界が形になってしまったら、その時は“今”という位置に別れを告げたい...
たくみ

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