ねぎおSTOPWAR

ロスト・メモリーズのねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

ロスト・メモリーズ(2001年製作の映画)
3.6
話の設定はとても興味深いというか、よく韓国でこれが通ったなあと思います。

『かつて総理大臣だった伊藤博文が満州ハルピンで射殺されたのは1909年のこと。もし、その暗殺が失敗していたら・・』という架空のストーリーです。
歴史ってそう単純ではないとは思いますが、一応の流れはこう。
・朝鮮半島の植民地化(これは同じ)
・日本はアメリカと同盟を結び第二次世界大戦へ突入
・原爆はドイツに落とされた
・朝鮮半島は日本国のまま
・サッカーW杯は日本で行われ、写るのは実際韓国の代表選手イ・ドングク

カメラはパンダウンすると胸には日の丸というね・・。

相当衝撃的というか意欲作。
そして映画の主人公は警官ふたり。
仲村トオル演じる西郷と、チャン・ドンゴン演じる坂本。
(・・この明治の日本を意識した苗字ふたつってのもねえ)
ロケ地には新宿やら実際日本語の看板が並ぶ街ですが、設定は現在のソウルです。
しかし朝鮮戦争も起きていないので、昔ながらの京城(ケソン)です。

まあ内容はここまでで止めますが、話としては面白いですよ。

****

「話としては面白い」とか書くと、じゃあ何がつまんないんだよ!と突っ込まれそうです。
つまらなくないんです。
チャン・ドンゴンさんはじめ韓国の俳優たちが日本語をセリフとして流暢に話す設定なので、そこがかわいそうというか一発で聞き取れないことは事実。
でもね、映画の根幹ってわけでもないので・・。

映画としておそらく狙ったのはアクション。
たぶん監督はそこが売りだと思ってます。

ただ残念ながら、2020年現在いわゆる韓国映画としてみんなが認識する映像のレベルにないんです。いろんな意味で。

この映画は2002年。
「冬のソナタ」の韓国放送時期。
有名な「シュリ」は1999年。
「JSA」は2000年。
まさに韓流の端緒です。
映画史においては仲村トオルも出演しているし両国にとって重要な作品でしょうね。

試しにメイキング観てみたんですが、またビックリ!!
撮影が危ないんだ!みんなケガしてるところが収録されているんだもん。それもビックリ!
火薬の位置や量が問題。
チャン・ドンゴンさん脇腹ケガして病院行ってますからね。
目が開かなくて共演の女優さんが手当てしている映像もあります。
火を使うシーンもね、役者の髪の毛燃えてますからね。
・・・まあね、そういう時代なんでしょうか。
日本でもテレビのバラエティを含めれば、表に出ていないだけで相当事故起きてますからね。
ハリウッドの安全対策、基準が徐々に各国に影響を与えているのか、今でこそだいぶケアされるようになりましたが、韓国の場合事務所や役者って日本のように神棚の上載せてくれませんから、この頃の役者さんたちは大変だったと思います。

そーんな変なところに反応してしまいましたが、実は編集もね、ラストあたりは引っ張り過ぎの嫌いがあります。

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