ラルジャンの作品情報・感想・評価

「ラルジャン」に投稿された感想・評価

お金、目に見える神。

神による、悪への手引き。

静寂という音が、鳴る。


鑑賞後、深く溜息が出た。
まるでずっと息を止めていた様な。
真綿で首を絞められていたような。
そんな重圧、苦しみが支配する84分。

84分⁉︎

観終わって、DVDに封入された冊子を読み、パッケージを見て、改めて驚く。

84分!

間違いなく150分位ありそうな内容だった。
色々なものを観た。
一枚の贋札から動き出す運命。

削ぎ落とされた台詞。
計算された構図。
鳴らぬ音楽。
鳴り響く音。

まさか犬の鳴き声にまで、意味を込めるなんて。

なんて映画だろうか。

多分、一度観ただけでは味わい尽くせていない。
なんなら劇場で観ないといけないかも知れない。
思い出した時、また味わおう。

苦く苦しい至福の84分を。
水野

水野の感想・評価

5.0
簡潔でテンポが良い。金による負の連鎖が濁流を起こす。自分の求める映画のゴールかも。
kazuho

kazuhoの感想・評価

4.4
日常がもつれてゆく、壊れてゆく


"彼は映画を、絵画芸術の後継者であると考えていた。"
『ラルジャン』HDマスター リーフレットより
恐ろしいほど美しく完璧なトリミング。アップの多様というより適切なトリミングという印象が強い。不信な動作と敬虔な所作。落ち着いて統一されたトーンの彩度の低い色彩が本当に綺麗でうっとりする。扉の開閉のシーンがことごとく巧くて唸る。こんな虐殺映画だって知らなかったから心底驚いた。唯美でも耽美でもないのに暴力的な美しさが余りに鮮やかに冷たく心臓を拉致し去る。
神の不在、やがて人間の果て。
ヨーダ

ヨーダの感想・評価

4.5
うっわあびっくりした
人間ぽい話だけど人間ぽくない人たち
斜め後ろから背中越しに手元を映すのすごく良い、ランプが倒れて消えたり、建物だったりすっごい良い
究極の単純さ、すごいや、
ドント

ドントの感想・評価

4.5
 1983年。観てしまったらなにひとつとして語ることがないようでいて、同時に語るべきことがありすぎて、つまりは黙るほかないような映画だった。学生が自作したニセ札を使ったことにより発生した負の連鎖がひとりの青年に流れ着き、さらに彼の内部や外部で反応し沈殿していく様を描く。
 ギリギリまで削ぎ落とされた物語・描写・演技が、苦行僧の肉体のように切り詰めた映像の中でピッチリと稼動して、こちらに身動きをさせないほどの緊張感というか、静かな迫力がある。実際10分目くらいから最後までろくに身じろぎもできなかったのでいま腰が痛い。
 たとえば扉/檻/ガラスとか、それらの明け閉めとか、「劇的な瞬間のまさにその時・一瞬」「それに対する反応」を絶対に見せないとか、一方でその他の場面において別の物品がグワッと動くことで戦慄が走るとか、そういうのが完全に極まっていてゾッとするほどである。そんなわけでもう私に書けることはないのでこの文章も終わりである。映画というのはここまでできる。心底おそろしい。
yuuuk

yuuukの感想・評価

4.0
何かアクションを起こすときの手足の動きをを特徴的に切り取って見せている。またそうした手足の動きに心の状態が追いついていない可能性を述べていると思った。

仕事をする手、逃げるために慌ててアクセルを踏む足、おたまを看守から奪う手、植物を摘み取る手、罪を犯す手、、

常人が罪人に変わる様を描くというテーマの映画はいくつか見たが、情緒的なものを取り払った画のつくりがブレッソンらしい。その時起こったこと、事実のみを述べていくような手法。

「金」は物語の主軸ではなく、日常を生きるためについて回る小さな悪魔のようなものとして描かれている。主人公が終盤に人を殺すが、その理由は「殺したいから殺す」であり、金は言い訳として利用されているに過ぎない。しかしこの悪魔を巡るできごとの中で主人公が自らを破綻させてしまったことだけは確かであり、タイトルとなったことにも納得させられる。

表を歩いていたらいつの間にか裏にいたような、、きっと彼自身も分からないうちにこんなことになってしまった。
ブレッソンの映画では、人物は無言のまま何かをする。

された方も無言のまま反応する。

好まれないだろうが、実生活でやってみようと思う。
みんと

みんとの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ロベール・ブレッソン作品はいくつか観てきたが、彼自身が作品のテーマとしてよく出てくる”お金”、”人間の愚かさ”、”善悪”、”貧しさ”等にとても興味や執着があって、取りつかれていたように思えてならない。

特に” 人間の愚かさ” の部分については、毎度絶望する。 いとも簡単に、(悪気がない場合も含めて)人を裏切ることができたり、今までの厚い信頼関係を断ち切ることが出来たりする人間模様が、これでもかというくらいに出てくる。
本作では、イヴォンの妻が手紙一枚で彼の元を去るあっけなさが個人的には特に辛かった。ブレッソンが徹底していた、「絶望的な出来事の核は見せずに、あえて前後を断片的にしか見せない」という技法は、こういう人間の本質を描くのに活きてくる。

しかし本作に関しては、特に”お金”の部分が色濃かったと思う。
人生や理性が他者に狂わされ、そんな自分を受け入れてくれた人をも殺してしまった時の「金はどこだ。」、というイヴォンのセリフが、それを集約していると感じた。このシーンは本当に衝撃的だった、、、。お金がないということの不幸や、お金によって悪になれてしまう人間の愚かさなど、いかに人間がお金というものに翻弄されてい生きているかというのが痛い程わかる。

全ての元凶となる裕福な学生は救われ、労働者階級の善良な人の人生は転落していくという結末は、不条理ながらもこの世のリアルなのかな、、、。
DAIRIKU

DAIRIKUの感想・評価

4.4
場面の展開方法に驚いた
違和感もあるけど、不思議なほど場面を想像できる
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