犬のロボット

ラルジャンの犬のロボットのネタバレレビュー・内容・結末

ラルジャン(1983年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

劇中での「神なる金」の言葉が印象的だった。物語においての罪の発生も、それに対する救済?(救われてはいないけど)も全て金が握っているという構造は金の持つ絶対的な力とそれが生み出す歪みを感じたし、以前授業で聞いた「かつての社会における神の役割は、資本の絶対的な力によって代替された」という話を想起させた。そして、その構造は罪の発端である偽札で強調されている。犠牲になったイヴォンに追い討ちをかけるように悲劇が起こりまくるのが辛い。白髪の女性との会話の場面、自分自身にも向けたような「あなた1人が傷ついている」「奇跡を待つとでも?」の言葉、ラストの全ての善性が失われた、抜け殻みたいなイヴォンの姿が苦しかった。
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