ロベールブレッソンの映画は基本的に淡々としていて、それによってさらに恐ろしさを増している。淡々と人が闇に飲み込まれていく様子を見ていた。「自分たちさえよければ誰かが無実の罪を被っても構わない」という考えから見える人間の醜悪さ。
人とのかかわり合いで、どん底に落ちほとんど原型を留めていない人の心は変わらないという絶望。人とのかかわり合いを求めていたわけじゃないもんな。人を殺すことに楽しさみたいなものを見出し始めた人の心はそう簡単には変えられないし、もう既に絶望しきっている。彼をそうさせたのも人だし。色んな人間がいるね。久しぶりにロベールブレッソンの冷たさに触れた。びっくりしたけど納得もしている不思議。