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谷岡ヤスジのメッタメタガキ道講座のblacknessfallのレビュー・感想・評価

4.5
アマプラに落ちてるのを発見してしまった。
ある意味日本映画で最もマッドな映画と言えるんじゃないかな。90年代の悪趣味ブームを通過した人達は70年代に狂ってたのは東映だけじゃないという日本映画がいい意味でトチ狂って尖っていたことの象徴的作品として衝撃と笑撃を受けたはず。
しかし、本作のヤバさをどう説明すれば良いものか、だいだい原作の谷岡ヤスジの漫画自体、何かちゃんと筋や構成があるわけじゃないし。
谷岡ヤスジさんは赤塚不二夫さんと共に先鋭的でシュールでナンセンスなギャグに拘り、ギャグの地平を広げた人だからねぇ。
要するに本作も漫画のようにエロもグロもバイオレンスもぜーんぶギャグに変換しナンセンスでシュールな世界を展開する(要するにワケがわからねぇ)。



「おりゃ、はよぉやれ」「松葉くずしやれ言うとんじゃ!」
このセリフを言ったのが本作の主人公、小学生のガキ夫で言われたのがガキ夫の両親。
このシーンだけでもいかに本作がマッドなのかわかってもらえると思う笑

そもそも主人公が小学生男子の艶笑コメディて設定だけで充分狂ってるんだよ笑
ガキ夫は見てるだけ満足するようなたまではないし、エロコメディなんでこの後、チ☆ポが小さいとバカにした女の子と何故かいい感じになりキスをする。相手もリアル小学生女児だからオデコにするんだけどこの時ガキ夫は女児に「ハフハフ言わんわ」とエロおやじ的な注文をつけ、女児も「ハフンハフ~ン❣️」とユーモラスに応じる。今なら完全にアウトだね。
そんな世界線の映画だから大人のレディにもやらかす。担任の女教師をクラスメイト(女児も含む)と裸に剥く。バーのホステスをかけて父親と酒の飲み勝負して勝利するやホステスの乳首をチュパチュパ吸う、これも本当にチュパるんだけど流石にオッパイは一目でゴムとわかる偽物。とは言え、これも今なら余裕でアウトだし、飲酒の時点な笑

映画に翻案してるのに谷岡ヤスジの原作を薄めることもなく原液のまま映像にしている恐ろしい激ブツだ。
エロだけじゃなく豪快に吹出す鼻血、"鼻血ブーー"、「夜よりのアサー🐓」、興奮して伸びる前歯🦷等、谷岡ギャグもまんま映像化しているのも凄い。安い特殊効果だから谷岡ヤスジの絵柄と合っていてハマっている。
バイオレンスも凄い、親子ゲンカからガキ夫と弟が両親の頭をナイフでかっ捌き脳みそ🧠に味噌を混ぜる。すると教育強要をしない物分かりのいい親に変貌する笑
お気にのホステスを取られた腹いせにロードローラーで轢きガキ夫をペチャンコにするガキ夫父。これなんかやることもだけどそれ以上に動機が狂ってるよな笑

こういうナンセンスギャクとアナーキーでシュールな展開の中に断片的だけど大人の愚かさを浮かび上がらせてるところが何気に深いんだよな。脳みそ🧠ケンカの前段で「勉強してもパパみたいにショボい大人になるから無意味なのだ」「ガキにはガキの好きにさせろ」
裸に剥かれた教師も「金で雇われてるくせに聖人面するな」と鋭いディスに激昂して先に子供に手をかけている。
本作はガキ夫始め子供はみんなめちゃくちゃやるんだけど大人への目線はシビアで鋭いんだよな笑 大人の欺瞞とかを告発してやろうとか社会派的な意図はないんだろうけど、アナーキー&デストロイなガキ夫達を見てるとそんな風に感じてしまう瞬間も笑


そして酒を飲み大人の女性の乳首を吸うガキ夫だけど最後は色々あって心身ともに疲れて家に帰り、「やっぱり母ちゃんが一番ちゅきぃ♥️」と言ってお母さんのオッパイをチュパる。
「やっぱり所詮ガキだなぁ」とナレーションが入り終る。

いやぁ、20年ぶりに観ても圧倒的されるな。
ひたすらシュールでアナーキーでマッドな映画だ。
初見時は今よりポルノへのスタンスやジェンダー等の意識がカバガバだったけど十二分に衝撃&笑撃だったから、それになりにアップデートされた今の方がより破壊的に感じたぜ😬💨ヤベェェエエエエーーーー🤯🤯🤯
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