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黄色い涙のsingerのレビュー・感想・評価

黄色い涙(2007年製作の映画)
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犬童一心監督の作品として見れば、いつもの犬童映画として安心して観ていられる。
しかし、嵐のファンからすると、もしかしたら複雑に映るのかも知れないですね。
少なくとも、昔ならアイドルグループがこういう形で映画に出演することは無かったと思うし、
時代も変わったのだなぁと時々思わされる作品でした。

嵐の5人。
もうちょっとカッコ良いキャラクターなのかなと思ってましたが、みんな揃って何となく泥臭い。
言い方を変えれば、皆、凄く人間味と深い人情がある。

櫻井翔なんかは上手く自分のイメージを裏切ってましたね。
普段はニュース番組に出たりしていて、知的でスマートな印象だったんですが、
本作では、ボサボサ髪に丸眼鏡という、何ともモッサリした風貌。
普段の彼から感じる「カッコ良さ」は完全に脱ぎ捨ててたので、最も挑戦的で、新鮮で、意外な印象を受けました。

二宮和也。
最近は演技派として注目されていますが、納得する部分もありましたね。
佇まいや視線で心情を囁ける感じの役者だなぁと。
車窓から外を眺めたりとか、輪の外から人々を眺めたりとか、そういうシーンでの表情が絶妙でした。

松本潤。
嵐の中では一番「華」のある存在だと思ってたのですが、この作品では殆ど活躍がなくて残念。
彼が他の4人と絡まないので、わざわざ嵐をキャスティングしなくても良かったのでは思えてしまいましたね。

大野智。
一番、普段のイメージに近かったです。
脇で生きる三枚目タイプなのかなぁと。

相場雅紀。
普段のイメージがあまり強くないだけに、一番役柄に違和感なくハマってたような印象でした。

と、嵐のメンバーに関しては、普段のイメージを裏切ってくれたので、見る目が変わりましたね。
1963年の若者に各々がしっかり向き合ってたなぁと。

犬童一心らしく淡々としつつも、観終わったらもう一度観たくなるような作品でした。
でも欲を言うと、やっぱり嵐以外のキャスティングで観てみたかった気がします。
嵐は普段のイメージが強すぎるだけに、どうしてもそのイメージが観る人を真っ直ぐな眼で通させないというか。
現代劇じゃないだけに、余計にそういう印象がありました。
ただ、そういう部分を補って余りある程、嵐のメンバーが印象的だったので、個人的には良い鑑賞だったと思います。

しかし、香椎由宇は・・・勿体なかった。
もっと良い見せ場があっても良かったのになぁと。
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🎦こちらは、2007年11月8日にブログに投稿したレビューです。
嵐の活動休止が近づいてきていますが、自分が嵐の存在に対して、好意的になった、そのきっかけとなったのが、この作品でした。
当時はまだまだ俳優としてはまだフレッシュな感じだったけど、今では個人個人の魅力も増して、みんなそれぞれ味のある俳優さんになったなぁと感慨深く。
自分は、それほど大ファンというわけではないけど、それでも彼らの活動休止は理解したいなぁと思うし、またいつか嵐として、ファンの前に戻ってきて欲しいですね。
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