デパルマ

追跡者のデパルマのレビュー・感想・評価

追跡者(1970年製作の映画)
3.0
TBS版吹替を鑑賞。海外出張中に酔って暴れた社員の過失により老人を一人殺してしまった大企業の社長、その企業との仲に波風を立てたくない大統領、事件の起こった現地の正義に燃える首相の、三者三様の思惑が交差する政治劇(現代翻訳)。カネで解決しようとしたり、戦争になったり、国民が決起したり、短い尺で様々に展開するのが面白い。バート・ランカスターは善玉と思ったらそれをひっくり返したり、リー・J・コッブは荒っぽく見えるけど実は経営者としてうまくやり過ごす技を持っていたり、「許されざる者」に何らかの影響を与えていそうなくらい脚本がよく出来てる。しかし「もう終わりだ」と言いながら向かって来た敵を皆殺しにした挙句、丸腰の相手を後ろから撃つなんて貴様ルールもへったくれもないじゃないか。この西部劇にヒーローはいなかった。いるのは人殺しと死者、そして彼らをただ傍観することしか出来ない民だけだった。
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