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戦場のメリークリスマスのmizukiのレビュー・感想・評価

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)
4.7
私も美しいな綺麗だなって思うこととか、大事だなって思うことが詰まっていて、これは好きじゃん…って終始思った。

回想の、藤と紫陽花(っぽいやつ)とラベンダーなどが咲く花園…本当に美しかった。弟さんの歌声も美しかった。
花や音楽が心を豊かにするものだと思えることが、セリアズの飄々とした行動に現れていたのだと思う。花も歌も美しいに決まっている、だから隠さなかった。美しいものを「美しい」と迷いなく判断できる自分には人の心があると信じることができたから、揺るがぬ愛(無償の愛)を見せるため、罪のない人間を罰しようとしたヨノイ大尉にキスをしたのかなと。
ヨノイ大尉も、自覚はあまりなかったと思うが「人間だから人間らしく生きるべきだ」ということは、きっと直感的にわかっていた。正しいと思うことは二人とも似ていたのだと思う。私はあれだけ心を通わせていたら男女関係なく惚れると思うので、恋愛感情が伴っていたのではないかと思う。
音楽家の二人をそれらの役に当ててるって、すごすぎる。音楽が好きな人間があの役を演じる状況が尊い。ビートたけしも含めてだけど、表現に長けている人があれだけ集まってるの、なかなかやばい現場。他の俳優さんたちも、迫真の演技。特に、手を振るわせながら切腹をして最後首まで切られるシーンに出ていた俳優さんはすごかった。すごいレベルで表現の掛け合いが行われていました…。裏で流れている音楽も、情緒あるテクノなのとても良いです。

人それぞれ正しいと思うことは違う。あなたが間違ってるならみんな間違ってるし、あなたが正しいならみんな正しい。という考え方がとても好き。私も大事にしている。
酔って言っていた「ファーザークリスマス」がめちゃくちゃ正しかった。クリスマスは、限りなくアメリカの文化。宗教的には分かり合えない両国だけど、人として相容れないわけではない。お互いの文化は、自分たちの価値観に変換して考えてみることができる。

主演のお二人、端整なお顔立ち。坂本龍一の目と、デヴィッドボウイの口(特に歯並び)がとても好きだった。
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