抒情的な戦場映画、正直一回見ただけでは、物語の細かい部分を取りこぼしていた感じがするけれど、また何度も観て理解を深めたい、不思議な魅力が在ります。
なんと言っても、今じゃあり得ない様な、独特なキャスティング。
特に、北野武が扮する、粗野だがどこか憎めないハラ軍曹が個人的にハマった。
最初の朝鮮人軍属のカネモトに、切腹を迫るどぎつい場面から、通訳役のロレンスと不思議な友情が育まれ、ラストのドアップの「メリークリスマス ミスターローレンス」までの変容が秀逸。一切の邪心の無い純粋無垢なハラの笑顔が、戦争の愚かさに突き向けている様でもあり、そこに主題歌が被さって来て、切なさで溺れた。
完全なカタコト日本語のロレンスとハラの、ある意味シュールなコミュケーションに妙な温かみを感じる。なぜもっと早く観なかったのか、ちょっと悔やまれる。
