Kai

戦場のメリークリスマスのKaiのレビュー・感想・評価

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)
5.0
なんなんだこれは…
戦争とか、そこそこ分かりやすいものかと思えば、とんでもない芸術作品だった。
全然分からないけど、気づけば何故か涙が流れていた。
あまりにも死の描き方がリアルというか。

■日本人の精神性
喜ぶべきなのか、そうでないのかは分からないけど、失われつつある日本人の独特の精神。
崇める他人としての神がいない代わりに、己という神がいる。
傾向すると他人も自分も殺す神。
ヨノイはまさにその権化だが、ハラは少し違う。
「ハラグンソウモ人間デスネ」はその意味なんでしょうね。
だけど、人の命を救うからハラが正しいかといえば、そんな簡単な話でもない。
この映画はそういう問いも含んでいる。

■愛おしいという気持ち
この映画では、男と女ではなく男と男でそれを表現しているらしい。
人の想いとして純粋に捉えられた。
ヨノイがセリアズに動揺したのは、己という神に従うか、心に従うか、迷ったからでは。
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