ベテラン中学生

戦場のメリークリスマスのベテラン中学生のネタバレレビュー・内容・結末

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

おもしろかった。ドキドキするのが苦手なので人が死ぬシーンが多いのは怖い。

ボウイの顔に紋白蝶(蝶じゃなくて蛾かも)が止まるシーンは、仕掛け自体はクリシェっぽいんだけど嫌な感じはしなくて(普通はボウイを生き埋めにして殺さないので新鮮)、良いなーと思った。

ただ、ローレンスさんだけが「日本的なるもの」と「西洋的なるもの」の両方を俯瞰で見れていて(もちろん葛藤もあって紋切り的な「わかってる外人」じゃないのはすごいけど)、それをたけしと坂本龍一という「タレント(俳優としてアウトサイダーな)」=「日本人(暴走した敗戦国の住人)」みたいな図式化されたアホジャパが囲む、という構図には敗戦に対するコンプレックス的な面もあるのかなと感じた。あきらかに三島由紀夫とか226事件とか元ネタっぽい価値観というか美学みたいなのはあるんだろうけどあんまり日本日本したそういう流れに詳しくないので色々見たり読んだりしてみたい。

でも、全体としては、最初から最後まで飽きることなく、メリークリスマスの伏線回収もちゃんとしててM1グランプリを見てるかのような「キチッと感」があって気持ちいい。ボウイの回想シーンはだいぶいまいち(映像も話もなんとなくしょうもない)な気がしてそこは気になった。

ビートたけしのラジオで戦メリの話をしてるのを聞いて(ベテラン中学生は昔のたけしのラジオとかテレビが好き)、ビートたけしが坂本龍一と「あれは一般人が見てもわかんねぇだろうな、わかったって言ってるやつはよっぽどの映画オタクだよ。俺がラッシュで見てもわかったような、わかんねえようなだもん。」って言ってて印象に残った。

長々書いたけどそれぐらいおもしろいと思う。