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ぜんぶ、フィデルのせいのmhのレビュー・感想・評価

ぜんぶ、フィデルのせい(2006年製作の映画)
5.0
1970年のフランス。フルジョワ階級から次第に反体制活動家になっていく両親を子ども視点で描く。
子ども側からだと、裕福で楽しかった毎日が、ひとの出入りが多い狭い家に移ってしまったので文句たらたら。
子どものことほっといて、他のことに夢中になってることへの抗議みたいなこともお姉ちゃんのほうは含んでるんだけど、マイペースな弟は順応性高いのとか、細かいとこまでよく設定してる。
親戚、学校、友だち、習い事に小さな軋轢が生まれて、だんだん両親の活動を理解していくという素晴らしいツアーに連れて行ってくれる。
説明がきわめて少ないので、
・キューバ危機から亡命してきたお手伝いさんだから親米派か。
・フランコ政権下の宗教=カトリック=避妊中絶に対する考え方が保守的。
・南米チリの選挙に、ヨーロッパの活動家たちが関わっていること。
・アジェンデ政権の行く末。
このあたりを把握してないと、話について行けなさそう。
監督さんはあのコスタガウラスの娘さんというのも激熱ポイント。
親から子供へと受け継がれていくという話なので、二世監督はうってつけ。
また、1970年代フランスのファッションも見どころ。インテリアの配色なんかも決まっていて、見るところ多かった。
ギリシャの世界観に続いてベトナムの世界観を聞かされて、子どもなりに考えるのはとてもいい勉強になりそう。
子役ふたりがかわいいのも最高でした。
これはすげー面白かった!
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