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ぜんぶ、フィデルのせいのhokaのレビュー・感想・評価

ぜんぶ、フィデルのせい(2006年製作の映画)
3.2
まさかカストロも遠くフランスの9歳の女の子から恨みを買っているとは思ってなかったろう。
難しそうな顔で
『全部、フィデルのせいね!』
面白い。

所謂“持つ者”である両親が“持たざる者”の為社会主義に傾倒していく過程で、自分の環境が好まざる方向へ変化していく為、極めて正しく疑問に思う事を両親にぶつけていく。
彼女の疑問は至極真っ当で、それを説明するのはなかなか難しい。

フランコの独裁軍事政権へのカウンターとしての社会主義。

社会主義は全体主義で平等だが、それ故に技術革新は生まれにくく、産業発展は鈍化する。自由資本主義は富が偏在するため、その再分配制度の整備が必要だが、それを積極的に行う権益者はいない。ようは先鋭化する事なく、2つの良いところをうまくチューニングして法制化しなければ理想的な社会は実現しない。

合わせてカソリックの教えでは許されない人工中絶問題にも切り込む。

アンナはその環境の変化に疑問を持ちながら、逞しく順応していく様が微笑ましい。
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