えいがうるふ

ぜんぶ、フィデルのせいのえいがうるふのレビュー・感想・評価

ぜんぶ、フィデルのせい(2006年製作の映画)
4.2
突如「キョーサンシュギ」に目覚めた親のおかげで一変してしまった生活に疑問と不満をぶつける子どもが、子どもなりに考えて自分の道を見出す話。

親の思想がどうであろうと、子どもには子どもの世界がある。それを理不尽に壊された子どもが「くっそー、ぜんぶ、フィデル(・カストロ)のせいだ!」と率直に腹を立て、曇りなき眼たる子供目線ならではの疑問と不満を大人にぶつけまくるのがなんとも清々しい。結果、頭でっかちな親たちよりよほど柔軟に変化を受け止め、かつ流されることなく自分で考え自分で道を決めるアンナの姿が凛々しい。

それにしてもアンナとフランソワのお洋服が素敵!!絵本「マドレーヌちゃん」の世界そのもののような学校シーンも、ブルジョワ生活が終わった後のちょっと野暮ったい普段着も可愛すぎ。オリーブ少女の世界、といえば分かる人には分かるはず。