りょうすけ

卵のりょうすけのレビュー・感想・評価

(2007年製作の映画)
3.0
「卵」

セミフ・カプランオール監督による「ユスフ三部作」の1作目。1作目でありながらも時系列的には一番最後に当たる。母親の死をきっかけに久しぶりに故郷に帰ったおじさんユスフの物語。

独特な雰囲気の作品だった。途中途中、現実なのかそうじゃないのかよくわからないシーンがあったり、主人公が突然気を失ったりと、何かのメタファーなのかすらわから似ようなシーンが多くって内容を理解しようとしても自分の能力では限界だった。

久しぶりに故郷に帰ってきたユスフが母親ゼーラの世話をしてくれていた遠い親戚の娘を含めて、色んな人と出会う中で、また色んな人の話が出るのだが、こちら側にはその情報が全くないので、誰が誰なのかすらわからないし、そもそもこの後の2作でその人が登場するのかすらわからない。たまたまその場で居合わせた人の話を盗み聞きして、想像を巡らせるみたいな映画なのかもしれない。

母親には遺言があって、それもなかなか衝撃的だったし、この映画の放つ独特な静けさには退屈しなかったんだけど、不親切な映画だなとは思った。雰囲気は好き。それ以外は再見しないとダメだろうな。
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