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卵
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『卵』に投稿された感想・評価

netfilms

netfilmsの感想・評価

3.9
 カプランオールの自伝的物語を描写した三部作は青年期から思春期へ、思春期から幼年期へと徐々に時間が退行していく不思議な物語である。イスタンブールで暮らす詩人のユスフは、母親の死の知らせを受け、何年も帰っていなかった故郷に帰る。古びた家に帰るとアイラという美しい少女が彼を待っていた。ユスフは、5年間、母の面倒を見てくれていたというアイラの存在を知らず、アイラは母の遺言をユスフに告げる。遺言を聞いたユスフは遺言を実行する為に旅に出る。失われていた記憶が甦ってくる。それは、ユスフ自身のルーツを辿る旅となった……。ユスフと母親とのギクシャクした関係の理由が今作ではまったく描かれない。牛乳屋として仕事に励みながら、詩人を目指していた思春期のユスフ少年は、愛する母親に男がいると知り、母親を否定し半ば無理矢理に大人への道筋をたどっていく。あの『ミルク』の物語の延長にこの物語があるならば、母親と距離を置くために、故郷から遠く離れたイスタンブールでの生活をユスフ少年が選択したことは容易に想像がつく。

 最初は頑なに母親の葬儀を拒み続けたユスフの心に様々な心象がフラッシュバックし、張り詰めていた心にある霊的な瞬間が訪れ、あちらの世界でユスフと母親は交信する。けれどそれはトンデモ映画の方法論ではなく、真に霊的な美しい瞬間として主人公を包み込む。あの場面の美しさは実際に映画に触れなければわからない。本来ならば『蜂蜜』を観た後でこのシーンを観れば、父親の死と母親の死が密接な関係を持っていることに気づく。2作目3作目でも主人公の癲癇の発作の場面は繰り返し出て来るが、その癲癇の発作こそが主人公に異界との交信をさせる契機となる。今作において最も重要なのはサーデット・アクソイの表情に他ならない。彼氏との会話の中で、イスタンブールで勉強したいと告げる彼女の存在は2作目『ミルク』の中の思春期のユスフ少年と少しダブって見える。今作はトルコ社会における死の悲しみと生の喜びを同時に享受し、世代から世代へとゆっくりと確実に流れていく季節を的確に描写している。ショットの構図も印象的なロング・ショットからクローズ・アップへヨーロッパ映画らしからぬ粒子の粗い映像で淡々と綴られる物語は、奇跡のような連環を成す。
McQ

McQの感想・評価

3.6
「ユスフ3部作」の1作目との事。(ユスフとは主人公の男性の名前である)

『卵(2007年)セミフ・カプランオール』

この「卵」の後に「ミルク」、「蜂蜜」と続くようだが、正直、本作だけ観て評価して良いのかどうかわからない。特別何かが起こるわけでもない。

なんだなんだ??って事がたまに起こるのだが、これについて次作で明かされるのだろうか?このまま何も起きない気がしないでもない、、のだが、嫌いじゃない〝何か〟がここにある!
トルコのセミフ・カプランオール監督による【ユスフ三部作】1作目です。

映画としては『卵』→『ミルク』→『蜂蜜』の順番です。
覚え方としては、採取が楽な順です。

卵はそこにあるのを拾えばいい。
ミルクは絞らなきゃいけない。
蜂蜜はだいぶ危険を犯さなければならない。

時系列的には『蜂蜜』→『ミルク』→『卵』の順になります。
それぞれ少年ユスフ→青年ユスフ→おじさんユスフです。

映画の順番だとどんどん若返っていくわけです。


*****

この映画の主役ユスフはおじさん。独身。
イスタンブールで古書店をやってますが、そんなにやる気はない。

何に対してもやる気がない。
電話がかかってきても留守電になるまで取らないのが普通だし、
留守電聞いてから必要があれば掛け直す男。

人との距離がだいぶ遠い。
でも、人当たりは良い。失礼な態度を取ることはないし、十分優しい心を持っている。

でも、やはり人に心を見せないし、人の心に入っていこうなどということはしない。


*****


なぜおじさんユスフはこういう男になったのか、
を時系列的にさかのぼりながら見ていくのがこのユスフ3部作ですね。


ですけど、
『卵』を一本目として見るのって本当に難しいことだと思うんです。。

ユスフはほとんど喋んないし、
母が死んだとこからスタートするし、
ユスフのことも全然わかんないのに
謎の親戚美女が出てくるし
突然、てんかんでぶっ倒れたりするし、
意味不明だと思うんです。。


*****


僕は『蜂蜜』→『ミルク』→『卵』の順で見たので
あの可愛い可愛いユスフが『蜂蜜』で起きた事件を背負って
『ミルク』の思春期を過ごして
『卵』でのこんなおじさんユスフになっちゃった。。という流れで見れたので見やすかったです。

監督の意向とは違うのは重々承知なのですが。。


*****


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