「実話」ではなくなったヤクザ映画は、演出の自由の代わりに、生々しさを失った。
菅原文太主演、最終作。
己の正義を通したがために、
組の政治の道具とされていく型は変わらない。
しかし、実話を離れてしまったことで、登場人物ほぼ全てがその世界で生きているような異彩を放っていた、生々しさはない。
典型的なハリウッド風娯楽映画に落ち着いてしまい、口惜しい。
ただ、出演している役者の熱量、実車を用いたカーアクション、転がり回転するカメラワークは健在で、それだけでも十分に面白い。
映画は、
1、スジ(脚本)
2、ヌケ(画角)
3、役者
とは言ったものだが、それを痛切に感じた。