半兵衛

恋する女たちの半兵衛のレビュー・感想・評価

恋する女たち(1986年製作の映画)
3.2
主役を演じる斉藤由貴をはじめ大人になる前の少女の不安定で瑞々しい感情を生き生きと描いた大森演出は結構好きではあるが、時代がたってしまうとキャスティングやファッションなどに80年代の刻印を感じてしまった映画に集中できなかったのも事実。

等身大の若者をリラックスして演じる若手の役者たちの演技は良いけれど、一番インパクトがあるのはやはり他の役者よりワンランク芝居が達者な小林聡美だったりする。ちなみに個人的なあれではあるが高校時代ああいうレズ要素のある先輩と付き合っていたことがあるのでちょっと親しいものを感じた。

でも恋愛や大人になることへの不安を取り上げている割には、すべてアイドル映画としての範疇でほどよくおさめている演出があまりにもそっけなさ過ぎて不満だった、こういう何も残さない演出は嫌いじゃないけど本当に何の後味も残さないのはなあ。

強引に自分の爪痕を残そうとしているようなラストの変な演出に苦笑。

あと今回見直して菅原加織が出演していたことに初めて気づいた。
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