ドナウ

ディア・ハンターのドナウのネタバレレビュー・内容・結末

ディア・ハンター(1978年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

戦争前、戦争体験、戦争後の3部構成になっていて、かけがえのない日常と兵士の負った傷跡を丁寧に描いていた。他愛ない日常から幕を開け、仲間の結婚と希望に満ちた未来を表現したダンスの哀愁を帯びたロシア民謡が一層悲しみを誘う。その最中、バーで一人飲む兵士を見つけたマックスは無邪気に話しかけるが、その無気力さに自分の思い描く兵士像との違いに憤り罵る、この兵士が未来の自分と思いも知らずに。出征前、鹿を狩るために一同は山へ向かい、やって来た場所は夢現のような場所、そこに住まう鹿は神聖な存在のようだが、怖いものなどないマックスは躊躇なく撃ち殺す。過酷な戦場から戻った彼らは、仲間を助けられなかった、仲間を見捨ててしまった、足も居場所も失ってしまった、そんな後遺症にもがき苦しむ。マックスは再び鹿狩りへ赴くが、もう以前のように撃ち殺すことができなくなっていた。生き延びた者達はもう決して日常に戻ることはない、心も身体も。

なぜロシア系アメリカ人なのか考えた私なりの解釈は“ロシアン・ルーレット”、まさか…ね。
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