こぼちゃん

ファミリー・ゲーム/双子の天使のこぼちゃんのレビュー・感想・評価

4.5
監督 ナンシー・マイヤーズ、脚本 デヴィッド・スウィフトほか、原作  エーリッヒ・ケストナー『ふたりのロッテ』、1961年の実写映画化作品『罠にかかったパパとママ』(ヘイリー・ミルズ主演)のリメイク。

幼少時に両親が離婚し、互いに相手の存在を知らぬまま育った双子が、サマーキャンプで偶然出会って意気投合し、皆で一緒に暮らせるよう、両親の復縁を試みる。

二人の父、ニック(デニス・クエイド)はカリフォルニアで葡萄園を開き成功しており、双子の一人、ハリー(リンジー・ローハン)を育てている。二人の母、エリザベス(ナターシャ・リチャードソン)は、英国でウェディングドレス・デザイナーをしており、アニー(一人二役)を育てている。

ハリーとアニーは、サマー・キャンプで出会い、英国チームと米国チームに分かれ、フェンシングをしたりいたずらを仕掛ける。やり過ぎて、二人はキャビン暮らしをさせられるが、そこでもしかしたら双子と思い、入れ替わることに。

英国の暮らしは、お金持ちの家で、紳士的で優しいな祖父や運転手がいる。米国の暮らしでは、農園らしいラフで楽しい生活だが、なんと、財産目当ての若くて意地悪な恋人が出入りしていた。

キャビンでの二人は、レオ様がどうのとか、オレオには、ピーナッツバターとか、トークが可愛い。11年を経て初めて見る、パパとママ。何度もハグしたりキスするシーンが。おじいさまも、煙草とハッカの匂いが愛おしい。

初めて失恋した時、普段、母は人生の話なんかしなかったけど、どんなに辛いことも、いつかは笑って言える時が来ると言っていた。年の離れた子供だったので、両親の色んな過去は聞くことはなかったけど、葬式の時に、母は養子に出されて、色んな思いをしたこと、もともと誰に対しても積極的に親切だったことを知る。

父は、出張ばかりで家にいることは少なかったけど、いる時は、今では珍しくないが、70年代当時では珍しい酸辣湯や排骨麺のある店に行ったり、当時は外国の沖縄土産を買ってきた。人は皆70%。完璧な人はいなくて、どこか欠けている。でも、一人一人が素晴らしい個性の持ち主で、寄り添って力を合わせると強くなると話す。

映画のママは、仕事が忙しく、つい、売り言葉に買い言葉で離婚を口に出した。パパは、よく理由は分からなかったが、そんなに言うならと別居を引き留めなかった。

意地やわだかまりだったり、臆病や我儘だったり、時に、人は本音を言えなかったり、逆に、思わず、口にしてしまう、酷い言葉も沢山あるもの。

うまくいく夫婦は、①いくら家族でも、人は皆違う人間。特に、男と女だと考え方が違うことも沢山ある。だから、聴く努力をする。②共通の趣味を意識的に持つことで、時間を共有する。③喧嘩して一時的に距離をおいても、会話は絶やさないことだそうです。

心の深い処の性格は、なかなか、変えられない癖みたいのがあるけど、考え方や行動の一部は変えられる、取り返せる失敗もあるんだと、気づかせてくれる映画でした。

リンジー・ローハンが、とても可愛かった。お爺さんは早くにすり代わりに気づき、黒人の様な楽しい挨拶をする運転手も優しく、米国のお手伝いさんも、子供たちの味方で、とっても、ハート・ウォーミング。
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