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ノッティングヒルの恋人のMyYouMeのレビュー・感想・評価

ノッティングヒルの恋人(1999年製作の映画)
3.8
90年代特有の王道のロマコメなので、あまりのファンタジー展開に少し引っかかる事もなくはないけど、概ね“Surreal, but nice“なイギリス版『ローマの休日』。

ハリウッドの人気女優とイギリス・ノッティングヒルで小さな本屋を営む男性。ふたりの出会いから惹かれ合い恋に落ちるまでの経緯はなんだか色々唐突に感じるし、アナがわりと自分勝手なので優しくてナイーブなウィリアムが振り回される様子はちょっと気の毒だったけど、紆余曲折を経て終盤にエルビス・コステロの歌う ♪She の流れる瞬間にはまんまとグッとさせられる。

アナに扮するジュリア・ロバーツが自分自身を演じているようにも思えてちょっと不思議な感じ。
本作でのヒュー・グラントは砂糖たっぷりのミルクティー並に甘くて、とても魅力的だった。

ウィリアムの友人や妹もみんなチャーミングでナイス・キャラ。アナが友人宅を訪れたシーンで彼女が大女優である事に気付いたり気付かなかったり、デザートを賭けて各々の不幸自慢が始まってもジョークで和ませたり。ウィリアムの恋の行方を見守り、彼のために一生懸命協力する展開に胸が熱くなった。ヒュー・ボネヴィルさん出てたんだね。

本作の美しさはストーリーは元よりロンドンの景観も大きく影響していて、街中を映すシーンがどれも素敵だったな。
特にアナが去った後、ウィリアムが失意を抱えたままポートベロー通りを疑似ワンショットで歩く場面はとても印象深い。
そしてやっぱりノッティング・ヒルの街を歩いてみたくなる。
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