昭和っ子

狂った果実の昭和っ子のレビュー・感想・評価

狂った果実(1956年製作の映画)
3.5
裕次郎さんが子供にしか見えない…。セリフが、何言ってるのかわからない。彼も造られたスターの一人だったんだなと改めて感じました。無頼な子どもたちの存在も、芥川賞という権威に支えられているというパラドックスを、今なら伺う事ができます。敗戦から10年あまり、朝鮮戦争の軍需景気に湧く日本は、敗戦の事など忘れてしまったかの様。大学生になっている主人公とその友人たちは、いわゆる戦中派と言えるのでしょうが、幼少期の価値観と今とのあまりのギャップにもがいているのでしょう。ニヒリズムに浸り、すべてを破壊してしまうほどの衝動を持つのはわかるような気がします。
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