かおる

8 Mileのかおるのネタバレレビュー・内容・結末

8 Mile(2002年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

デトロイトにある都市と郊外を隔てる境界線、「8マイル・ロード」。この道路は富裕層と貧困層、そして白人と黒人とを分けるラインになっている。
恋人と別れてアパートを追い出され、母親のトレーラーハウスに転がり込むジミー。彼の夢は、ラップで成功して8マイルの向こう側へ行くこと。


ヒップホップ文化に造詣があるかどうかで感想が変わりそう。
ヒップホップは聴かないこともありあまりそういう方向に明るくないので、どうしてもなんだか怖いな、という気持ちが抜けなかった。
言っていることもストーリーもわかるのだけど、「ラップは黒人のもの」とか、結局そういうものってなくならないのかなあとか思ってしまう。
かと言って、それを全て否定することもできなくて。
いかにも成功しました!感を出すのはそういう背景のある文化だからなのだと思うと、なんとも言えない気持ちになる。


にしても、母親が毒親すぎてそりゃこんなところに居たくないよね。
妹もかわいそう。

たぶん、成り上がりたいが故に男も踏み台にしていくアレックスに共感できることはない。でも、そこまでの必死に何かを変えたいような気持ちが私にあるかと言われると、ない。
「どん底から這い上がる」という言葉を聞くけど、自分の中のどん底じゃなくて、社会のどん底から這い上がるというのはそう簡単なことではないのだということはよくわかった。終始苦しかった。

ただ、かっこいいのはわかる。顔の話ではなくて。
かおる

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