煙草と甘いコーヒー

魔女の宅急便の煙草と甘いコーヒーのレビュー・感想・評価

魔女の宅急便(1989年製作の映画)
4.8
無人島に持っていくとしたら、この映画かもしれない。

初めて見たのがいつだったか覚えていないが、記憶として残っているのは、大学時代に住んでいた安アパートの時で、えらく感動したのを何故か覚えている。

ラジオをつけて、ユーミンの曲がかかる瞬間が大好きで、何度見ても脳がニヤニヤしてしまう。

ラスト、主人公のキキの表情がなんともいえない。

生きていくということは、受け入れたくない現実に翻弄されながらも、理想よりも少しだけダサい(だいぶダサいこともあるが)自分と渋々付き合っていかないといけなくて、その格好悪さを苦笑いしたりしてやり過ごしつつ、そんなダサい自分を、自分以外に付き合ってくれる人がいることに救われながら、そんな自分も悪くないかもと前向きに思えて、もう少し頑張ってみようと思えるようになって、で頑張ってみて、意外な一面に気づいたりなんだりしてを繰り返していって、そんなこんなで歳をとっていくと、ざっくりと人生を楽しめるように、人って変わっていくのかな、なんてことを考えさせられてしまうところが好きというか。

キキはまだ若いので、こんなオッサンみたいなことは考えないだろうが、そんな絶妙な表情をアニメで表現してしまうところに、作り手たちの凄さを感じてしまう(のは自分だけかもしれないが)。