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魔女の宅急便のsupgreenのレビュー・感想・評価

魔女の宅急便(1989年製作の映画)
4.9
優しさや温かさの中に、ちゃんと現実の厳しさもオブラートに描かれていて、成長する過程がとてもいい。

13歳の少女には住まいは簡単に確保出来なかったり…
ニシンパイのお婆さんなどへ、誠心誠意尽くしても、その孫の何気ない一言に傷ついたり…
おソノさんが、部屋や朝食をつけても、店番する条件や3食でないところが、キキの自立を促してくれている。

またトンボの窮地を知り、急いで飛び出した先に、都合よく箒があるわけでもないのも、ウルスラと話すシーンに繋がってる気がする。
空を飛ぶ魔女の力は、呪文でも箒でもなく、自身の血の力。
デッキブラシでも飛べると彼女が確信できたのも、一時的に魔力が戻ったのも、自分とその能力を信じられたからだと思った。

一瞬、無音になって「飛べ」の一言で上空を舞うクライマックスは鳥肌モノで響きます。

ラジオをかけてオープニング曲が始まり、エンドロールで街に包まれる。

ストーリーと演出・音楽・繊細な描写と、愛らしいキャラクターの数々で、トータルバランスに優れたさすがのジブリ。万人にお薦めします。
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