爆裂BOX

ホラー・スコープの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ホラー・スコープ(1988年製作の映画)
3.2
いじめられっ子の少年ホークスはテレフォン星占いに電話を掛けるが、そこから聞こえるのは悪魔の囁きだった。魔界の力を手に入れたホークスはいじめっ子たちに復讐していく…というストーリー。
魔界の力を手に入れた高校生による復讐を描いたオカルトホラー。監督はMrフレディ・クルーガーことロバート・イングランド。これが初監督作品です。
ホークスは毎日いじめられたり、狂信的で支配的な母親に押さえつけられた日常やいとこであこがれの対象である高校中退して不良たちとかけ事やバイク乗り回す不良青年スパイクと彼女のセックスのぞき見したり、スパイクの部屋入って彼女の下着もってっちゃったり結構キモくてさえない子ですが、悪魔の星占いのささやきに乗った事で変貌していきます。ホークス演じるスティーヴン・ジェフリーズは「フライトナイト」の主人公の変わり者の友達エドを演じた人ですね。
最初に星占いのチラシを拾ったのはスパイクの方ですが、最初は占いを聞くも、その誘惑に抗います。いじめられてるホークス助けたりもしますが、そのいじめっ子の不良たちとは賭け仲間でもある。デート中に彼女放り出して賭け事始めたりもするギャンブル狂でもあります。
前半はオカルト色ありつつも青春映画の趣で進みます。占い通りに行動してホークスの彼女といい感じになるも下着もってるのバレて嫌われて(当然)いじめっ子たちにもボコられて占い通りに魔術で復讐を始めていきますが、最初の犠牲者はクモ嫌いでタランチュラの群れに襲われてショック死したりと派手な描写は無いですね。
悪魔に魂を売ったためか、ホークスの体も変化していきますが、鋭い爪が伸びていったり、爬虫類の様な顔に変化していく所はケビン・イェーガ・プロが手掛けているだけあって見所になっていますね。変化したホークスがいじめっ子たちを襲撃して殺していく場面は中々痛快。「ハートのペアだ」と心臓二つ差し出す所や手首切断したりちょっとしたゴア描写もあります。
ホークスの家を舞台にしたクライマックスでは床が抜けて氷と雪の世界になったり、庭に裂け目が出来て炎地獄になったりするSFX描写は時代感じさせながらも楽しいですね。チョイチョイ描写挟まれて描かれてたこの占い会社を調べる記者と女教師がこの終盤ちょい主役っぽくスポット当たるけど逃げ回るだけで何もしなかったな。
ホークスが辿る末路など新鮮味は感じられないし、あまり華もない感じですが、初監督作としては手堅く纏っているのではないでしょうか。これ以降監督はしてないみたいだけど、元気なうちにもう一作ぐらい撮って欲しいかも。今の所VHSしかないですけどロバート・イングランド唯一の監督作という事でDVD化してほしいですね。